◆自分に合うどこかのタイミングで観てほしい
――外の世界へ飛び出したことが、俳優業にも還元できているんですね。これからがますます楽しみです。
松山「これからは、さらに俳優以外でもやりたいことがたくさんあります。たとえば害獣駆除で出た鹿の皮を使ったアップサイクルの活動もしていますが、そうした活動の場が、ひとつの居場所になるように作っていきたいんです。穴にはまりそうになっている人たちや、まだまだ元気な高齢者とかの居場所になるような仕組み作りをできたらいいなと思っています」
――ありがとうございます。改めて、10年かかってようやく世に出た映画です。最後にひと言お願いします。
松山「当たり前ですが、自分も含め、みなさん本気で作った作品なので、多くの人に観ていただきたいです。ただ最初にもお話しした通り、この題材が、フタをしていたいものなので、公開中にまだ『ちょっと嫌だな』と観られない人もいるかもしれません。でもいつか観てみようと思える時期が来るかもしれない。いつ観ても、どんな年齢のときに観てもいい作品なので、自分に合うどこかのタイミングで観ていただければと思います。本当に大事な題材を見つめている作品です」
(C) 2023「ロストケア」製作委員会
<撮影・文/望月ふみ>
【望月ふみ】
70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。@mochi_fumi