さて、河野太郎という人間は、人望も無けりゃ周りにいるものもロクなものではなかったことが、衆議院議員・秋本真利容疑者(48)の逮捕で明らかになったと新潮が報じている。社会部記者がこう解説する。
「秋本容疑者は洋上風力発電事業を手がける日本風力開発(日風開)の塚脇正幸前社長から約6146万円の賄賂を受け取ったとされています。塚脇前社長とは共同で馬主組合を設立しており、賄賂は馬の購入費などの関連費用として渡されていました。そして、賄賂の実質的な“謝礼”という形で、同社の事業に有利になるよう国会質問を行っていたのです。
その一つが青森県・陸奥湾での風力発電事業に関するものだ。日風開はかねて陸奥湾で環境影響評価(アセスメント)を実施し、同海域で事業を展開しようとしてきた。しかし、青森県が防衛関連施設への影響等を考慮し、消極的な姿勢を見せると、秋本容疑者は2019年、国会質問で『過度な規制をかければ国益を損ねる』と迫り、結局、この海域は事業対象地域に選定されることになったというのである。
秋本の議員になるきっかけは千葉の衆院議員だった実川幸夫の事務所に入ったことだった。こう地元市議が証言している
「彼は実川事務所の秘書という名刺を持っていたけど、秘書でも何でもなくて、ただの運転手だったんですよ。もともと運転が上手いからと採用されただけでした。その事務所を辞めて富里市議に当選した時、ある問題を起こしましたね」
事務所を辞める時に事務所の秘書で現在は自民党千葉県議になっている高橋祐子と後援会名簿を盗んだというのである。秋本容疑者より15歳年上の高橋は第92代警視総監である高橋清孝の妹で、独身だと周囲に語る秋本容疑者とは、今に至るまで男女の関係にあると地元では見られていたという。
秋本容疑者の著書によれば、市議時代に通っていた法政大学大学院に講師として訪れた河野太郎が、その講座で「核燃料サイクルとプルサーマルの違い」を質問すると、秋本容疑者はすらすらと回答したという。驚いた河野に「国会議員になれよ」と声をかけられ、12年の衆院選で初当選を果たした、とある。
当時、河野は秋本容疑者を猛烈プッシュして選挙では10回以上も応援に入ったという。だが、自民党千葉県連関係者が秋本容疑者の“不義理”をこう回想する。
「当時同派(平成研=筆者注)の事務総長だった故・竹下亘さんは、彼の選挙のために1000万円を陣中見舞いとして渡していたんです。ところが、入会したと思ったら、あっという間に平成研を辞めて、当時の権力者、官房長官だった菅さんのところに行ってしまった。平成研の代議士はカンカンに怒っていましたよ。その代議士からこの話を聞かされた河野さんは、“許してやってください”と頭を下げてきたと聞いています」
大派閥に後脚で砂をかける一方、地元秘書には罰金を貸していたというのだから見下げた代議士である。秋本容疑者は河野の側近としての地歩を徐々に固めていった。直近まで河野の勉強会「火曜会」の事務局長を務めていた。河野の側近は衆の秋本、参の高野といわれてきたそうだ。だがその高野光二郎参議院議員は、今年6月に秘書の顔を殴打したとして議員辞職してしまった。これでは次期総裁選を戦おうにも人がいない。いくら人材不足でもひどすぎはしないか、河野さん。