――えもりさんも、アイドルに憧れる中高生だったのですか?

えもり 私は、アイドルに憧れたことはないですね。そもそもあまり音楽に興味がなくて、特に日本語詞が付いた音楽が苦手で……。感情移入しすぎて気分が悪くなったり、疲れたりしてしまうんですよ。

 だから普段は、意味のわからない言語で歌われている歌とか、トランスみたいな気分が高揚する曲を聞いています。同じ理由でテレビもNHK以外はほとんど観ませんし、本も読まないんです。

 京大を目指したのは、周囲の友達に東大志望、京大志望が多かったからです。「じゃあ私も」と、唯一好きだった生物が学べる京大農学部を選びました。両親ともに他大の農学部出身で親しみもありましたし、植物も好きだったので。

 あと最近気づいたのは、私は、「自然」という思い通りにならないものに人が出会ったときの微笑ましいシーンが好きなんですよ。今、仕事で植物の研究をしていますが、いい大人たちが「花がピンク色にならない」と真剣に悩んでいたりすると、面白いなと思います。

「アイドルになるため」と東大、京大を目指したなつぴとあずき。生物を学ぶために京大を目指したえもり。一般入試の場合、彼女たちが入学した国立大学は基本的に、毎年1月なかばに実施される大学入試センター試験(当時)を受けた上で、各大学が2月下旬頃に個別に実施する二次試験も受験し、両方の成績を総合して合否が判定される(難関校ほど、二次試験のほうが重視される傾向が強い)。東大理科二類が3.4倍、京大農学部が2.3倍、名大情報文化学部が2.4倍(2023年度前期)という倍率の難関校に合格するまでの、彼女たちの受験エピソードとは?