――それは、親御さんに怒られるからですか?

あずき いえ、自分で自分が許せなかったから、なかったことにしたかったんです。たぶん親は、娘である私が賢いことをそれほどいいことだと感じていなかったと思います。母親も、「女の子は頭のよさよりかわいさや愛嬌を磨いたほうがいい」という考えの人ですし。

 当時の私はお金を儲けることに興味があったのですが、登下校のときに「アイデアやノウハウのような情報を売れば、元手がかからずにお金になるからめっちゃ儲かりそうだよね!」みたいな話を友達にして、まったく理解されずさみしかったという思い出もありますね(笑)。

田中東子(以下、田中) 小学生にして情報商材のアイデアを(笑)。頭のいい女子って、集団で浮きがちですよね。頭のよさを競い合うような文化が、女子グループのなかにはないから。

なつぴ 私も友達づくりには苦労しました。小3のときはクラスの中心的な男子から悪口を言われることもあって、つらい記憶も多いです。

 そんななか、「自分はひょっとして賢いのではないか」という認識を初めて持ったのは、小4のときでした。母親に勧められて「名進研」という名古屋の大手学習塾に、中学受験のために通い出したのがきっかけです。みんなと同じ勉強をしていても、テストを受けると通う校舎ではほぼ1番が取れたので、「世間は私より勉強ができないのかもしれないな」って。