――えっ? トイレが決め手に!?
あずき はい。受験会場だった慶応の校舎のトイレが寒々しくて、めちゃくちゃ古かったんですよ。名大のトイレは、きれいだし暖房便座もついていて魅力的でした。公立中高のトイレがずっと寒々しかったので、大学に入ってまでそういう学生生活はしたくないと思っていたんです。
田中 大学ってへんな場所で、トイレだけ見ても、共学の学校なのに男子用のほうが多かったり、女子用だけ行きづらい場所に配置してあったりすることが、普通にあるんですよ。
あずき ただ、2人と違って私の家族は、私が勉強をがんばっていることにあまり関心がないようでした。特におばあちゃんは、受験勉強に励んでいい大学に入った私を、あまり快くは思っていなかったようです。
というのも、おばあちゃんから定期的に届くお惣菜と一緒に入っている私宛ての手紙は必ず、「がんばらないで」という言葉で締めくくられていたんですよ。最初はなんのことだかわからなかったのですが、手紙の文脈からだんだんと、おばあちゃんは「女の子は大学で勉強なんかしなくてもいい」と思ってるってことが理解できました。
田中 それは、“女子あるある”かもしれませんね。
(第2回へ続く)
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