後藤氏が挙げた残る2つの条件、「短期大学から4年制になった大学」と「”良妻賢母型”の学びを中心とした大学」は重複するケースが多い。そして、その多くが女子大だ。

「大学の最終学年は就職活動にほとんどの時間が費やされるため、短大の場合、実質的に教育を受けられる期間は1年です。これでは学べるものが少なすぎるということで、女子短大が4年制大学へ転身するという流れがありました。問題は短大時代の教員の雇用問題はあるとは言え、”良妻賢母型”カリキュラムを4年制になっても大きく変えられなかったことです」

 短大でも4年制大学でも、取得できる保育士や幼稚園教諭の免許は同じものだ。ならば短大や専門学校で事足りてしまう。また、「”良妻賢母型”の学び」の代表例である人文系の科目にも逆風が吹いているという。AIの存在だ。とくに英語の場合、Chat GPTのような自然言語系AIの隆盛により、通訳・翻訳・英語教育関連の雇用が減少することが予想される。

 募集停止した恵泉女学園大学と神戸海星女子学院大学も前身は短大だった。短大から4年制になった他の女子大を見てみると、学習院女子大学は17年の431人から22年の358人、東洋英和女学院大学は19年の504人から22年の327人と、やはり入学者が減っている。