しかし今回のドッキリは仕掛けられた側が我々視聴者で、「してやられた」という気持ちにはなったとしても、誰一人傷つくことはない、素晴らしいドッキリだ。ドキドキしてワクワクして誰も傷つかないなど、まさに今の時代に合っている最高の形なのではないだろうか。

 ただこの形のドッキリは進化系ドッキリではないのだ。我々視聴者を騙すというドッキリは実は昔流行ったことがある。もちろん今回の涙ドッキリのような2週間モヤモヤさせてあっさり答えを言うといったものではなく、番組の最初から中盤くらいまで視聴者を騙し、そして終盤でネタばらしをするというもの。

 古くは日本テレビ系で放送されていた「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」。「高校生制服対抗ダンス甲子園」や「復興広告計画」など視聴者にスポットをあてた人気企画が目白押しの番組なのだが、その中で「大仏魂」や「半魚人」など実際には無い事を真実のように見せる元祖ドキュメントバラエティとして一世を風靡した企画も多く誕生していた。

 さらにフジテレビ系で放送されていた「めちゃ×2イケてるッ!」でも元気が出るテレビよりもさらに真実味を帯びたような演出で視聴者をいい意味でだますような企画が流行った。