老後は夫婦2人で悠々自適に暮らせたらいいな、と考えている方も多いのではないでしょうか。これまで一生懸命働いてきて、貯金にも取り組んできて「さぁこれから……!」というときに、思わぬ事態に見舞われてお金のピンチに陥ってしまったWさんの事例をご紹介します。

ピンチの理由1. もらえる年金額が思ったより少なかった

(写真=PIXTA)

老後の年金は原則65歳から受け取れます。Wさんがいくらもらえるのか確認したところ、月6万円でした。夫婦合わせても月10万円ちょっとで、これでは毎月の支出の方が多く、赤字になってしまいます。

Wさん夫妻は2人でお店を営む自営業者のため、受け取れるのは国民年金だけです。会社員と違って厚生年金がありません。Wさんはそのことを知ってはいたものの、実際の金額を見ると想像していたより少なく、ショックだったそうです。

 

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ピンチの理由2. 長く働くつもりが体調を崩した

(写真=PIXTA)

もらえる年金が少ないとわかったWさんは、なるべく長く働いて稼ぐことで赤字の部分を埋める計画を立てました。「定年」にとらわれないのが自営業のいいところでもあります。高齢で今までと同じように働きにくくなっても、月5万から10万円でも家計に回して年金にプラスできれば大きく違うでしょう。

でも、その計画はあくまで「健康」が前提です。年金をもらいながら仕事を続けていたWさんですが、ある日心臓の病気が見つかりました。今までのような負担がかかる働き方はできなくなり、入院や通院で働けない日ができたり医療費がかかったりして、赤字を埋めるどころか、さらに拡大するような生活に突入してしまいます。

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