退路を断たなくても、アイドルは活躍できる

佐藤:ちなみに『アイドル3.0 プロジェクト』では、とにかくメンバーが安心して活動できるグループを作りたい。そのために、選抜制度も取らないことにしました。

:メンバー間の競争を極力減らそうと。いわゆる“序列”があってメンバー間の競争を促すと、切磋琢磨するという面はあるでしょうが、やはりストレスも大きいですから。

佐野:『アイドル3.0 プロジェクト』は金融の仕組みを使うことで、従来のアイドル像の刷新を目指していることがわかりました。これまでの大型アイドルグループは、競争という外的要因によって、いわば「頑張らされて」きた側面がある。

 でも、こうやって安心して活動ができるとなると、逆に、自分自身で頑張る意味を見いだすことが必要になってきます。そういった意味で、今までとはまったく異なるアイドルが生まれる可能性があります。新しい才能に光が当たる仕組みと言えます。

佐藤:退路を断ち、崖っぷちに立つことで頑張れるのが従来のアイドルなら、これからは、安心して活動できるからこそ輝けるアイドルにも光が当たればいいなと思っています。

佐野:親御さんも安心して預けられるアイドルグループになるでしょうね。たとえば、アナウンサーになるために、アナウンサーのスクールで学ぶ学生さんは多いです。同様に最初から就職の選択肢の一つとして、アイドルになる道が選ばれるようになってもおかしくない。アイドル活動を通して努力する力とコミュ力を習得し、さらに語学も学べるんですから。

:まだまだこれからですが、『アイドル3.0 プロジェクト』をきっかけにアイドル界を変えていけたらうれしいですね。

 

 

<プロフィール>
佐藤 義仁(さとう・よしひと)

オーバース代表取締役社長。松井証券株式会社取締役、株式会社SBI証券代表取締役執行役員専務、株式会社マネーパートナーズ常務取締役、フォビジャパン株式会社(現 ビットトレード株式会社)取締役など、一貫して証券、FX、暗号資産の分野において経営及び業務に携わる。2022年3月に当社を共同で設立し、代表取締役社長に就任。

澤 昭人(さわ・あきと)

オーバース取締役副社長兼CFO。公認会計士としてIPO支援や上場会社の社外役員などを歴任。2016年に乃木坂46メンバー(当時)の衛藤美彩さんと共著『なぜ彼女が帳簿の右に売上と書いたら世界が変わったのか?』をPHP研究所から出版。これがきっかけでTOKYO FMのラジオ番組『ジュグラーの波』で衛藤さん、AKB48総監督向井地美音さんと共演する。当社共同設立者。

佐野 創太(さの・そうた)

大手人材系企業で転職エージェント、求人サービスの新規事業責任者として従事したのち、退職学®︎の研究家として独立。1200名以上にキャリア相談(有料)を実施。退職者もファンになる退職広報を50社以上に提供。「時代に取り残されない組織」になるために自動生成AIの企業研修を行うAI活用メンターであり、一つの素材をWeb記事やウェビナー・研修といった複数のネタに変換するコンテンツ顧問としても活動している。1999年からGLAYファン(特にTAKUROさん)。 著書に『会社辞めたい」ループから抜け出そう!転職後も武器になる思考法』(サンマーク出版)、『ゼロストレス転職 99%がやらない「内定の近道」』(PHP研究所)