元アイドルは就活で“無双”する

佐野:アイドルのセカンドキャリア問題の話が出ましたが、現在の新卒の就活や第二新卒の転職の市場において、アイドルグループで活動していたという経験はとても有利に働くと思うんですよ。アイドルの方々は、歌やダンスのハードなレッスンと、タフなアイドル活動を経験するので、自ずと努力する力が身についている。その上、ファンやスタッフなど多くの人と関わるので、コミュニケーション力に長けている人も多い。

佐藤:たしかにそうですね。

佐野:就活や転職市場には、アイドルがアイドルとして培ったタフネスとコミュ力を求める企業がたくさんあります。それに加えて一般教養、パソコンや語学スキルを身につければ、引く手数多になる可能性が高いです。

:アイドルシーンで活躍している子たちは、とにかくやる気に満ちあふれていますからね。

佐野:採用やマネジメント側としても、社員にマナーやスキルは教えられても、モチベーションだけは教えてあげることができない。実はやる気を引き出すことが一番難しいので、その素養があるのは有利でしょう。

佐藤:メンバーの卒業後に焦点を当ててお話をしてきましたが、もちろん現役の活動中も手厚くサポートしたいと考えています。特に健康管理の面では、パーソナルドクターをつけて、身体面だけでなく、メンタル面も含めたケアを行う予定です。

:アイドルは人に見られる職業なので、どうしても精神的にもしんどい部分は出てきますからね。また、将来の不安といった面も個々で相談できるようにしたいと思っています。

佐野:一般企業でも、まだまだメンタルサポートは進んでいないところが多いです。むしろ、こんなに手厚くサポートしてくれる会社は、大手企業や育成に力を入れている企業以外ではあまり聞いたことがありませんし、就職先としても優良だと思いますね。

 また、アイドルが抱えるセカンドキャリアの問題は、プロのアスリートにも当てはまることですよね。こうしたキャリア支援の仕組みができたら、ほかの分野にも応用が利きそうです。