暗号資産で、アイドルグループの運営を「民主化」する
佐野:アイドル運営において、仮想通貨を用いることでどのような効果が発揮されるのでしょうか?
澤:まず、我々のグループが大前提としている、仮想通貨によるアイドルグループ運営の仕組みについて説明させてください。我々、株式会社オーバースが発行する仮想通貨「NIDT(Nippon Idol Token)」は、今年3月末から4月中旬にIEO(Initial Exchange Offering)と呼ばれる資金調達を行いました。結果、『アイドル3.0 プロジェクト』の運営費として約10億円が集まりました。このNIDTの保有者は、オーディションや一部プロデュースへの関与、限定イベントの参加が可能になります。
佐藤:『アイドル3.0 プロジェクト』は現在、メンバーのオーディション中です。最終的に9~11人のアイドルグループになる予定ですが、4次選考を終えると候補者は100人に絞られます。この時点で候補者を明らかにし、今後の最終選考では、NIDT保有者の投票によってメンバーを選びます。
佐野:仮想通貨を保有することで、ファンがアイドル運営に大きく関われるんですね。
澤:そうですね。これまで、ファンが運営に参加するというのはなかなかできなかったことなので、新しい試みになるかと思います。
ほかに、アイドルの運営に仮想通貨を用いるメリットは、大きく分けて2つあります。ひとつは「アイドル運営の民主化」。もうひとつは「アイドルとファンの関係の持続化」です。
「アイドル運営の民主化」というのは、今ご説明したように、ファンがNIDTを保有することで直接、運営の意思決定に関われるということですね。実際にグループが立ち上がってからも、運営の意思決定にさまざまな形でNIDT保有者に関わっていただく予定です。
佐藤:また、一般の方々から活動資金を募れるということは、スポンサーを必要としない、ということでもあります。つまり、スポンサーの意向に左右されない、自由度の高いアイドル活動が期待できるんです。