「心鬼狼」「I, Knew Me」は従来の.ENDRECHERI.のファンクとはまた違ったテイスト。どちらもシンプルなサウンドに徹しており、皆が聴きやすいポップスというフィールドに、さりげなくファンクを忍ばせるアレンジになっている。こちらはより堂本剛の優れたメロディーラインや、歌唱力が分かる楽曲だと言えるだろう。

 そして、個人的に今回イチオシなのが「依存 BEAT」だ。ゾンビドラマや映画が好きだという堂本剛が、「ゾンビ」の空耳で作り上げた極上のファンク。70s後半のファンカデリック(P-Funk)を彷彿とさせる、骨太なファンク・グルーヴだ。それをさらに現代的にして、ロックやヒップホップなど、さまざまなジャンルをごちゃ混ぜにして出来上がったようなカオスなサウンド。そしてこのカオスさが、ゾンビというモチーフにうまくハマっている。

 .ENDRECHERI.スイーツファンク最新作、「cho_cho_chocol@te」も同様のサウンド。こちらも繰り返されるチャント「Chocolate Chocolate♪」がクセになり、グルーヴの沼から抜け出せなくなる。

 以上がファンクサイドの11曲である。総括としては、今作は完璧なアルバムだったと思う。今回ほとんど触れなかったが、もちろんバラード・サイドの内容も素晴らしいし、そして前述のとおりファンク・サイドは「.ENDRECHERI.は世界に通用する本物のファンク・アーティストである」ということを明快に示している。