今作は前半にファンク11曲、後半にバラード11曲という非常に豪華なラインナップ。これは前半のファンク・サイドが.ENDRECHERI.の現在地を、後半のバラード・サイドがこれまで歩んできた軌跡/奇跡を表現している。

 堂本剛は過去に突発性難聴を発症し、現在もその後遺症で音程を取ることが困難な状態が続いており、特にバラードを歌うことが難しい。そんな彼があえてアルバムの半分でバラードを歌うことに挑戦したのは、日本中の人たちがさまざまな場面で闘っていることを意識して、自身の挑戦が時代へのエールに繋がればいい、という想いがあると公式サイトで語られている

 それではここからはファンク研究家として、ファンク・サイドの楽曲について触れていきたい。今作は前作『GO TO FUNK』の流れを引き継ぎ、タイトなグルーヴによりいっそう磨きがかかったファンクが多数収録されている。

 まずは表題曲「Super funk market」だ。伝統的なファンクの作曲法やシャウトを用いながらも、Gakushiが得意とするR&Bの手法や、ラストの堂本剛本人によるロックギター、独特な譜割りの日本語歌詞&メロディなどが混ざり合うことで、.ENDRECHERI.にしか作れない唯一無二なファンクに仕上がっている。

 某コンビニの入店メロディでもお馴染み、ラとファの繰り返しの電子音をうまく用いているユーモアのセンスや、Bメロ(2:21~)のバックで流れるクラシカルなリフはP-Funkの影響を感じさせる。さらに2:01~のホーンリフは、JB’sの「Pass The Peas」のオマージュだろう。