◆やることなすこと、すべてがワールドクラス
さすが、FBI捜査官だ。VIP待遇で、ホテルのスイートルームでフレンチトーストに舌鼓をうったり、得意のフィンガースナップで決めポーズを決めたりと、日本人離れした動作で視聴者を魅了してくれる。そんな皆実は、日本の警察にはない規格外の操作方法でさらに驚かせる。
第1話のラスト、連続爆破犯に対峙する皆実の孤高の姿が素晴らしかった。人質をとる交番前で、犯人(宮沢氷魚)が拳銃をつきつける。威嚇射撃にひるむことなく、皆実は、白杖を頼りにずんずん足取りを進める。じりじりとつめられ、手に汗握る距離のアクション。その距離、ゼロ。目の前で銃を向けられる大ピンチかと思いきや、軽やかに身をよじらせて犯人に強烈な顎うちをかます(この必殺技もスレード中佐の得意技に似ている)。現場を無事に制圧し、逮捕。
事件捜査を担当する佐久良円花(吉田羊)が、「あれでほんとうにFBIの特別捜査官なの」と言っていたが、いやはやこんなインパクトのあるアクションを見せつけられては、疑いの気持ちも爽やかに吹っ飛んでしまう。
やることなすこと、すべてがワールドクラスな皆実役に、紛れもない説得力をもたせた犯人逮捕の瞬間だった。やはりスターに不可能はなかった。福山雅治、恐るべし!
<文/加賀谷健>
【加賀谷健】
音楽プロダクションで企画プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメンと映画」をテーマにコラムを執筆している。ジャンルを問わない雑食性を活かして「BANGER!!!」他寄稿中。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。Twitter:@1895cu