女王を治す「エデンの樹の果実」のなる場所は、リリーが残した日誌の中にあるというドリトル。日誌の中にあるのがわかってるなら、場所もわかるんじゃないの?
リリーは海難事故に遭い、日誌だけを父の海賊王ラソーリが回収したというが、嵐の海の中からどうやって日誌だけ回収したのか不明だし、それをドリトルがなぜ知っているのかもよくわからない。
マッドフライの襲撃に遭ったドリトルは船を失い二進も三進もいなくなるが、ドリトルを嫌っていた海賊王ラソーリが自分の船を貸してやるに至っては、ご都合主義にもほどがある!
この手の作品に不可欠な「前振り」もしくじっている。トミーに傷つけられ、ドリトルの治療で治るものの、「あいつのせいで酷い目に遭った!許さねえ!」とトミーを敵視するリスとの間に何かエピソードが起きるのかと思ったらそんなことはまったくなく、最後に危機を救ってやるぐらい。適当すぎ!
最後にはドラゴンまで登場し、ドラゴンの心(と体の不調)の病をドリトルが治すのだが、ありえないぐらい下品なギャグが出てきて子供でも苦笑するんじゃないでしょうか。ちなみにこの劇中のギャグはほとんど滑っています。
支離滅裂かつ都合の良すぎる展開に、生かし切れていない動物たち。これをつくった監督・脚本はスティーヴン・ギャガン。ギャガンといえばソダーバーグの『トラフィック』の脚本家ですよ! 3つの異なる物語を同時に進行させて最後に結び付くようにする手腕はゴールデングローブとアカデミー賞にノミネートされたほどで、そのギャガンがこんなにどうしようもない脚本を書いて監督したとは信じられない。そもそもなんで起用されたんだ。
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