『アベンジャーズ/エンドゲーム』はMCUフェイズ3のラストを締めくくるにふさわしい完璧な結末で、ロバートがシリーズからの決別をするのもわかる。これ以上のものはないんだと。

 そんなロバートが自ら製作まで手掛けた『ドクター・ドリトル』は完璧とは程遠い作品だ。何しろストーリーがデタラメだから。

 庭園は他人と会いたくないドリトルが簡単には入ってこられないよう、秘密の入り口から出ないと入れない。少年トミーはポリーの導きで入ってくるが、その後レディ・ローズはあっさり屋敷に入ってきている。

「絶対外に出たくない!」と言っていたドリトルは一旦外に出ると、積極的に行動していくのも筋が通ってないような。

 女王の容態を診たドリトルは、水槽のタコと会話して彼女が毒を盛られていることを知る。部屋にはレディ・ローズが好いてはいない貴族のバッジリー卿や彼が雇っている医師マッドフライもいるので、誰が毒を盛っているのかはすぐにわかりそうなのに、ドリトルはレディ・ローズに女王から離れないようにとだけことづけ、こっそりナナフシを額縁に忍ばせる。最後にはナナフシがバッジリー卿とマッドフライの会話を聞いていて犯行が発覚するのだが、ナナフシの声はドリトルにしかわからないんだから、証拠にするには弱すぎる。