◆三四郎のネタは本当に「お笑いマニア」向け?
――三四郎のネタは、準決勝で彼らに負けた流れ星☆たきうえさんがTwitterで“お笑いマニア向けのニッチなフランス映画”だと批判していましたが、実際どうなんでしょうか?お笑いファン受けする人名(『ゴッドタン』などを手がけるテレビプロデューサーの佐久間宣行さん、新宿カウボーイやダウ90000など)が多いことや、メンバーが逮捕されて解散したキングオブコメディに触れるブラックさを、たきうえさんは指しているのかと思われますが。
<場外乱闘が盛り上がってしまいましたね。すみません、たきうえさんとは個人的に付き合いもあるので、「それがたきうえの長所」くらいに捉(とら)えていただければ(笑)。
三四郎のネタは、それこそあれが「三四郎の長所」と捉(とら)えていただくしかないのかな、と思います。会場にいるお客さんは、観覧の応募をされるくらいですから「お笑いマニア」であると思うのですが、その言葉に定義がないので、そこはなんとも言えません。「目の前のお客さんが面白いと思った方に多く得点を付けた」という結果以外に言えることはないのではないでしょうか?
「THE SECOND」は、お客さん100人が審査員ということで、NHKで以前放送されていた「爆笑オンエアバトル」に近いものを感じました。流れ星☆は、その番組で「20勝0敗」というとんでもない記録を持っています。20連勝は番組最高記録であり、そのうえ無敗なのです!
オンエアバトルでは、たきうえさんの言うところの「ニッチなフランス映画」が勝ち抜くのは少し難しいと思います。なぜなら、オンエアバトルの審査員は老若男女がある程度均等になるように選ばれていたと記憶しています。「お笑いマニアにウケるネタ」や、「ある世代のみに受けるネタ」「性別によって笑いにくいネタ」は、高得点を出すことが難しいでしょう。
流れ星☆は、そのルールに強かった。無類の強さを誇りました。ただ、今回は審査員が老若男女均等ではなかったのです。それが三四郎の予選での勝因になったと思われます>
――「決勝(テレビ)では娯楽映画が求められると思う」と自身のネタを“娯楽映画”に例える、たきうえさんの予想に反し、三四郎も1回戦はウケてスピードワゴンに勝ちました。
<松本人志さんがマシンガンズのネタに対して「紙を出していたのが(審査員に)どう取られるかっていう部分はあるでしょうね。プロの審査員なら、ちょっと、うーん、というところがあるかもしれないですが」とおっしゃっていました。
結果、一般の審査員はそこをあまり気にしませんでした。「漫才として小道具を出していいのか?」ということや、三四郎のような「マニアックなネタ」、金属バットや囲碁将棋のような「ちょっとキツく聞こえる言葉選び」など、一切関係ありません。彼らにとっては「面白かったか否か」それだけです。
これが「THE SECOND」の面白いところであり、シビアなところだと感じました。今後、さらに(いい意味で)反則スレスレの漫才も出てくるかもしれません。>