お次は今週のジャニー喜多川問題。ジャニーというのは底知れない精力を持ち合わせていた人間なんだろう。今週の被害者、元ジャニーズJr.の大島幸弘(38)は、ジャニー喜多川から200回も性的被害を受けたと告白しているのだから。 1998年、当時中学2年だった。ダンスのレッスンの後、「ユー、今日、家泊まっちゃいなよ」といわれた。

 ついてきた母親を帰し、六本木のマンションへ。ジャニー喜多川から風呂に入っちゃいなといわれて、バスルームへ。すると、ジャニー喜多川が顔を出し、洗ってあげると、手がどんどん下がっていって、性器を洗い出したという。

 その後、布団に入るとジャニー喜多川が来て、マッサージ。それから手が彼の性器に伸び、口で始まる。そんなことを200回もされたら、人間が壊れてしまうのでは。今でもその時の性行為のことがフラッシュバックして、気分が悪くなるという。

 これほどの被害者がいるのに、ジャニーズ事務所の動きは鈍い。新聞はもちろん、他の週刊誌の動きもない。これではジャニーズ事務所側の思惑通りになってしまう。この問題は文春一誌に任せておいていいのか。テレビも出版社も、ジャニーズ事務所に弱みを握られているから、動かないのであろう。

 かくして、日本芸能史上最悪のジャニー喜多川の性的虐待問題は、葬り去られるのではないか。心配だ。

 

 同じように、文春が追及している木原誠二官房副長官の妻の殺人疑惑と、その捜査に圧力をかけてストップさせた疑惑は、他のメディアが報じないまま、忘れ去られていくのだろうか。木原とその妻の「疑惑」について、文春の報道は丹念に事実を拾い、確実に2人を追い詰めている。木原側は、文春を刑事告訴したといっているが、東京地検が告訴を受理したという話が聞こえてこないのは不思議である。

 今週の文春は、捜査一課特命捜査第一係長が、亡くなった安田種雄の事件について、「自殺と考えて矛盾はない」と説明したことを徹底的に論破している。文春によれば、もし安田が自ら頭から喉を突き刺したとすれば、そのナイフを引き抜き、自分の傍らに置くというのは法医学上あり得ないと、再捜査の際、法医学者が回答しているという。

 しかも、そのナイフにはふき取った跡があるというのだ。また、廊下には複数の血痕があったことも分かっている。何者かが凶器を持ち出し、一度部屋を出たことが推察されるというのだ。

 これらの疑問を突き詰めていくと、妻だった人間のほかに、今一人協力者がいると考える方が合理的である。こうした疑問に対してきちっと説明する責任が警視庁にはあるはずだ。だんまりを決め込めばほとんどの日本人は忘れてくれる。木原や捜査当局がそう考えているとしたら、手ひどい反撃を、文春から受けるはずである。まだ事件は終わってなどいない。