しかし、覚悟を決めると危険を顧みずに突っ込んでいく一面もある。そんな二人の行動を撮影に徹することでサポートするカメラマンの田代(白石晃士監督本人。時折出演もする)。この三人を軸に物語は進行する。

 この工藤のキャラクターがとにかく強烈で、投稿者が真実を語ろうとせず何かを隠すような素振りを見せたり、ロケ中に出会った人間の態度が気に入らなかったりすると誰であろうと、老若男女問わずにつかみかかり、殴る蹴るの暴挙に出る。たまらず市川が止めに入ると「こいつは殴られなきゃわかんねえんだよ!」と市川の手を振りほどき、なんなら市川のことも殴って蹴る。完全にパワハラだ。

 工藤が恐ろしいのは普通の人間相手にそんな態度だから、心霊や怪異相手にも暴力に訴える!

『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!FILE-03【人喰い河童伝説】』では河童を実力行使で捉えようとし、投網で捕獲を試みるが失敗、最終的にはバット、素手で応対しようとする。陰陽師がつくった五芒星の中で河童を待ち構えるシーンは初期シリーズ最大の対決場面だ。