まず、題材の取り上げ方の旨さがある。口裂け女、トイレの花子さん、コックリさんといった題材は定番の上、擦られすぎてどう弄ってもウケなさそうなのに、新たな視点や、そのネタを弄る各登場人物のアプローチが巧みで唸らされる。

 そう、このシリーズはレギュラー出演者たちの異常なまでに立ちすぎているキャラクターが魅力的で見入ってしまう。

『コワすぎ!』シリーズのディレクターとして存在する工藤仁(大迫茂生)は粗暴にして短気、傍若無人である。

 工藤は送られてきた映像を見て「こいつは本物だ! 本物を映像に撮れば間違いなく売れるぞ!」と心霊現象、怪異のネタをまずビジネスとして捉えている。テレビなどの旧態依然としたメディアを「腰抜け」と称し「国内でダメなら海外に持っていけば売れる」として超常現象の謎を解き明かした果てには大金持ちになれるという大層な夢を抱いているが、その実、とてつもないビビりで、ロケ中に様々な怪異に遭遇すると腰砕けな行動を取ったり、同行するアシスタントディレクターの市川(久保山智夏)に「市川!お前行けよ!」と嗾けたりする(情けない)。