本作は二部構成となっており、前半は地方都市で暮らす女子高生キム・ソヒ(キム・シウン)の物語となっている。ソヒはダンスが大好きな、活発な明るい女の子だ。職業高校に通い、3年生になったソヒは担任教師に勧められ、大手通信社の下請け会社であるコールセンターで実習生として働き始める。
顧客からの電話での問い合わせに対応するのが、コールセンターの職務内容だ。ところが、このコールセンターのオペレーターたちは、顧客の契約解除を阻止することを上から命じられていた。初めて電話を取ったソヒは、いきなり相手から罵声を浴びせられてしまう。仕事に慣れないソヒは、1日のノルマを達成するために連日にわたって残業するはめになる。
ストレスに耐えながらもソヒは次第に電話対応のスキルを身につけ、好成績を収めるようになっていく。しかし、成績が上がれば上がるほど、ノルマはさらにキツくなる。しかも、いくら働いても、実習生ということを理由に残業代などの手当を企業側は支払おうとしない。学校も、現場実習を途中で放棄することを許さなかった。相談する相手のいないソヒは、次第に追い詰められてしまう。
ペ・ドゥナ扮する刑事ユジンは後半から登場する。冬の貯水地からソヒの遺体が見つかり、ユジンは彼女が自殺に至った経緯を調べることに。企業側は自分たちの非をいっさい認めようとせず、ソヒは素行に問題があったと非難する。学校も、職場の実態を調べることなく、生徒を実習先にそのまま就職させ、就職率を上げることしか考えていなかった。ひとりの少女の命が社会のシステムの歯車の中で無惨に散ったことを知り、慟哭するユジンだった。
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