AIの可能性とリスク、人間が取り組むべきこととは?

人間の知能とAIを上手に組み合わせることは、世界中に蔓延する多くの課題を解決できる可能性を秘めています。

例えば、情報分野、ロボット工学、ナノテクノロジー、医学、などの分野で実用化が図られ、成果を収めるでしょう。AIは人間の脳よりもはるかに多くの情報を処理でき、しかも“疲れ”を知りません。物理的な処理能力の大きさという点でもAIの活用は有効です。

シンギュラリティがやってくることによって、それまでは人間の能力の限界で実現できなかった情報処理の時間短縮、複雑な問題の解決、品質や生産性の向上、コスト削減、知識の集約などができるようになると期待されているのです。

“AIの暴走”はありえるのか、それが現実とならないために

ここまで紐解いてきた通り、AIは基本的にはコンピュータやインターネットを介して業務を進めます。コンピュータなどを使った仕事に限定すれば、AIは多くの場面で人間以上の生産性と効率性を達成できるかもしれません。

一方で人間にはこのシンギュラリティを機に、グローバルで取り組むべきことがあるでしょう。

統計によって導き出した「結果」に基づいて思考する能力や、怒りや紛争を最小化して共感したり貢献したりする能力、人間の道徳的価値に基づいて考える倫理的な能力などを実装することなど、いずれも“まるで人間のよう”でハードルが高く感じられますが、これらがAIの暴走を防ぐことにつながるでしょう。

アメリカでヒットし、日本語版も出版されたジェイムズ・バラットの著書『人工知能 人類最悪にして最後の発明』などを見ると、知識人を含めて「コンピュータが世界を乗っ取る」といったリスクを本気でとらえているアメリカ人が少なくないことがわかります。

人間の脳を模しているという意味で、AIの技術的な危険性についても軽視することなく、継続的にウオッチしておく必要がありそうです。

AIを使ってどう仕事を進めるかを考えることが20代にとって不可欠

20代の人たちは、上の世代に比べればすでにAIの扱いに慣れていると言えるでしょう。今後、人間に近い知性を持ったAIが登場する2030年には30代、AIが人間の能力を超えるシンギュラリティが起こるとされる2045年には50代となり、AIの進化とともに、キャリアを重ねていくメインの世代ということになります。

変化のスピードが加速している現代、企業が生き残っていくためにはイノベーションが重要です。20代の人たちには、AIが社会や働き方をどのように変化させるか、そのビジョンを描いていくことが求められるでしょう。

参考:「シンギュラリティとは~2045年問題~」(リコージャパン株式会社コンサルティング推進室 広口正之)
    「シンギュラリティ後の新世界を創るのは『あなた』だ」(日本「IBM THINK Business」)
    「富士通総研経済研究所 経済・経営・技術読本 2015.1」より

提供・UpU

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