◆10代の子どもたち、どんなことに気をつければ?

――AYA世代のがんには、どんな種類のがんがあるのでしょうか?

清水:AYA世代の中には様々ながんが含まれています。若い人に多いがんとして乳がんや子宮がん、白血病(血液のがん)や骨肉腫といったがんが知られていますが、実際には、様々な臓器のがんがあります。思春期世代は、血液やリンパのがんや、肉腫や脳腫瘍など、「希少がん」といって、非常に稀(まれ)ながんを診断される方が多いのが特徴です。

体調不良の女子高生
――思春期の子は親に体を見せなくなりますし、体調が悪くても親に相談しないこともある気がします。思春期はどんなことに気をつければいいのでしょうか?

清水:思春期は、痛みなどの症状があっても、最初は深刻な病気だと思わず、すぐには病院に行きませんよね。「試験があるから」「部活の試合を休みたくないから」と、自分のスケジュールを優先して受診をしない場合もあります。また、AYA世代でがんになる人は少ないので、医療者も最初からがんを疑うことは少ないと思います。そのため、がんは発見が遅くなりがちです。

AYA世代でがんになることは少ないので、親は、過度に不安になる必要はありませんが、体調が悪そうであったら、本人が「忙しいからいいよ」と言っても、一度、きちんと医療機関を受診をして病気ではないか診てもらった方がいいでしょう。