人が怒る理由の2つめは「コアブリーフ(~べき)が働くから」
さらに、怒りという感情には自分の「コアブリーフ」が関係していることもあります。コアブリーフとはいいかえれば「自分にとって譲れない価値観、信じているもの」です。さらに簡単にいうと「~べき」という考え方のことをいいます。
「メールは見たらすぐ返すべき」「男はこうあるべき」「女はこうあるべき」このような「~べき」が怒りを生んでいるケースがあります。
しかし、この「~べき」には正解も不正解もありません。価値観は多様化し、ダイバーシティ&インクルージョン(多様な価値観を認め合い、受け入れる)を掲げている企業も増えてきています。
そして「~べき」は、時代と共に変化する(営業は足で稼ぐべきだ、育休は女性だけが取るべきだというような考えは古くなる)ものであり、そもそも人によって度合いが違っていて、明確なものではない(“ちゃんと”報告すべきだ。のちゃんとの度合いは不明確)からです。
自分の「~べき」はあくまで自分の中での裁量でしかありません。周りには通用しないと覚えておく必要があります。
怒りは数値化で対処できる?! 怒りに対処する方法3つ
怒りの度合いを数値化して客観的になれる
実際に怒りに対処するための方法をご紹介します。それは怒りを数値化する方法です。 その怒りが「0 から10の間で、どれくらいのものか?」を頭の中で数値化するのです。
この基準を目安に、今感じている怒りが何点なのかを頭の中でつけてみましょう。この方法の良いところは「点数をつけることで、冷静な判断をすることができる」ことと、その点数を自覚し、冷静な対処ができることにあります。怒っている時の自分を客観的にみることができます。
副交感神経を優位にさせて興奮状態を落ち着ける
次に紹介したいのが「深呼吸」です。
怒りを感じるたびに、深呼吸をしてみましょう。人間が怒りを感じているときは、交感神経が優位になります。つまり、興奮している状態のことです。
一方、深呼吸を行うと副交感神経が優位になります。こちらはリラックスしてる状態です。これで心のバランスを整えることができます。
深呼吸のポイントは
①5秒吸って、7秒かけて吐き出す。
②鼻から吸って、口から大きく吐くことです。
時間をかけてゆっくりやるのがポイントです。
怒りをノートに書き出して心にスペースを作る
最後は「怒りを書き出す」方法です。以前アウトプットノートの書き方をご紹介しました。
アウトプットには記憶を定着させるなどの勉学方面の効果もあるのですが、実は「緊張や不安などを和らげる」効果もあります。
怒りや不安など、自分の感情を書き出すのはとても効果的な方法です。
心理学者の遠藤寛子さんが、大学生85人に怒りを感じた出来事について3日間書き出してもらうといった研究を行いました。その結果、怒りを書き出すことで学生たちの怒りの感情が減っていることがわかりました。また違う研究では、3週間にわたって怒りを書き出してもらったところ、怒りを感じている時間が短くなることもわかりました。
その理由は「怒りを感じた出来事についての理解が深まったから」です。書き出すことで、 怒りの感情を一旦頭の中から取り出すことができます。そのため、なぜ怒りを感じたのか? どう対処すればいいのか? を考えることができる、脳のスペースを確保できたのです。
怒りを感じる
↓
怒りを感じた出来事や言動を書き出す
↓
イライラしたことを外に出す(書き出す)
↓
なぜ怒りを感じたのか、どう対処すればいいのかを考えるスペースができた
↓
怒りが収まる ということです。
終わりに
パワハラ防止法が施行され、肉体的暴力はもちろん、精神的暴力も罰則が厳しくなった今だからこそ、怒りに我を忘れ、その結果身を滅ぼさないように怒りをコントロールする必要性が増しました。
怒りを数値化する。深呼吸をする。怒りを覚えた出来事を書き出す。
どれも簡単なもので、今からすぐに実践できることです。自分がイライラして余計なストレスを溜めないためにも、ぜひ試してみてくださいね。
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