現在公開中の『君たちはどう生きるか』の劇場パンフレットの評判がよくない。その理由の筆頭は「内容が薄い」ということ。SNSでは「このスカスカぶりで820円は高すぎ」「表紙が(鳥の)サギなだけに詐欺」「お客をナメている」など、容赦のない酷評も寄せられているのが現状だ。
また、本作は未だに予告編もテレビスポットも新聞広告も存在しない「宣伝をしない宣伝」が話題を集めていた。パンフレットが劇場公開スタート時の7月14日には販売されておらず、異例のほぼ1ヶ月後の8月11日の発売となったのも、情報や場面写真の流出を避けるための措置と推測されている。そこまで「待たされていた」ことも、購入者から不満が出る理由のひとつだろう。
そのことを踏まえても踏まえなくても、筆者個人としても今まで購入したパンフレットの中でワースト級の内容だった。だが、それでも宮崎駿監督が記した「長編企画覚書」の項は興味深い内容であるし、場面写真すら世に出ていない現状では一定の価値があることも認めざるを得ない。パンフレットの内容の一部に触れる形で、その理由を記していこう。
※以下、『君たちはどう生きるか』のパンフレットの内容の一部に触れています。
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