ところで、結婚と言えば。澤穂希は、2015年に元Jリーガーでベガルタ仙台スタッフ(当時)の辻村裕章氏とご成婚と相成った。2017年には長女を出産している。そんな澤は、本書で恋愛対象となる男性について、以下の様に理想を語っていた。

彼氏はサッカー関係者じゃないほうが断然いいですね。だって、彼氏から「おまえ、あのプレーはないだろう」とか「こうすればよかったんだよ」とか、サッカーのことに口出しされたら、仕事とプライベートの区別ができなくなっちゃいそうだから。
もし言われたら、たぶん私の性格上、ムカついちゃうと思います。むしろ、彼氏はサッカーに興味がなくていいぐらいです。(P120)

 思いっきりサッカー関係者と結婚をした澤だが、まあそこは恋愛と結婚は別、もしくは人生観はうつろうもの、という結論でいいのではないだろうか。こんな具合に、後年読み返すと思わず著者でさえ苦笑してしまう箇所が多いことも、「メッセージ本」の良いところである。

と、意地悪な書評に見えるかもしれないが、これでも本気で、本稿をキッカケに女子サッカーを観て欲しいという一心で書いたつもりだ。幸いにも女子ワールドカップはテレビ中継もある。残念ながらなでしこジャパンは敗退してしまったが、テレビ越しでも良いから、女子サッカー選手たちのパフォーマンスに目を向けてみて欲しい。