サッカー女子日本代表ミッドフィールダーとして、6度のW杯と4度の五輪に出場。2011年FIFA女子ワールドカップドイツ大会では得点王とMVPに輝き、同年アジア人史上初のバロンドールを受賞。2012年ロンドン五輪では銀メダルを獲得。日本女子代表史上、出場数・ゴール数共に歴代1位(205試合83得点)である。

 改めて列挙してみると、「ブラボー!」としか称えようがない。男女通じて、日本サッカー界でここまでの実績を残した選手は澤穂希以外にいないだろう。本書では、そんなレジェンドの恋愛歴、そして恋愛観が赤裸々に語られているのである。

1999年、20歳の年に大学を中退してアメリカのクラブに移籍した私は、彼の地で年上のアメリカ人男性と恋に落ちました。その男性とは真剣に結婚を考えてはいたけれど、2003年にアメリカ女子サッカーリーグが突然、休止を発表したため、将来を考え直さなくてはいけませんでした。(P126)

 WUSAと呼ばれていた女子プロサッカーリーグが発足したのは、2001年のこと。アメリカ女子サッカー代表が、96年アトランタ五輪で金メダルを獲得、そして99年女子ワールドカップアメリカ大会で優勝を果たし、アメリカ国内での女子サッカー人気が高まったことを受けてのリーグ創設だった。しかしメインスポンサーの撤退などもあって、わずか3シーズンでその幕を閉じている。