出版に携わっている人間ならお分かりだと思うが、この作り方だとそこまで製作に時間はかからない。そのため旬の人物を取り上げやすく、近年ではサッカーに限らず量産傾向にあると言える。

 筆者は、そんな「メッセージ本」が大好物である。前述の通り、自己啓発書や実用書の体裁を取ってはいるのだが、読んでみると恋愛や仕事についてかなり踏み込んで話していることが多いからだ。

 今回はその中から、日本女子サッカー界のレジェンド・澤穂希がドイツW杯優勝直後に出版した「メッセージ本」を紹介したい。

 ちょうど女子ワールドカップが開催されている現在、本書の内容に触れる前に、まず澤穂希の業績を振り返っておこう。