それぞれが異なるターゲットをとらえている
最新の決算ではドトールもルノアールも売上高がほぼ横ばいか微増で、コーヒーチェーン店の競争が激化する中、相変わらずの人気を誇っていると言えます。低価格の店が人気なのはわかりやすいですが、なぜ1杯の価格が高い喫茶店チェーンも支持を集めることができるのでしょうか。
少し見方を変えてみると、両チェーンはそれぞれ異なる客層をターゲットに据え、そのターゲット層の取り込みにしっかりと成功しています。
たとえばドトールは比較的席の間隔などは狭い印象ですが、アクセスしやすい場所に立地しており、セルフサービスにすることで低価格を実現。そこに魅力を感じる学生から年配の人まで、幅広い世代を中心とする客層の取り込みに成功しています。
一方、ルノアールは「都会のオアシス」をコンセプトに掲げ、ゆったりとした空間作りを意識している印象です。そのためコーヒー1杯の価格は高いものの、店員による“おもてなし”や重厚なインテリア、席によっては隣の客の声も届きにくく、ちょっとした打ち合わせや商談にも使えます。コーヒーを飲んだ後には緑茶のサービスもあります。
成功の秘訣は、ターゲット層の取り込みにあり
コーヒーショップひとつをとっても、コーヒー1杯の価格から、店舗設計のコンセプト、ターゲットまで、企業によって随分と戦略が異なります。消費者も、どちらが好みかというより、時と場合によって使い分けている場合が多いでしょう。
お手頃価格のコーヒーがいいか、ゆったりとした落ち着ける空間がいいか、その優劣を論じることにあまり意味はありません。安定した経営のためには、ねらったターゲット層をしっかりと取り込んでいけるかどうかが大事だと言えるでしょう。
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