最初はそのポストから。松川るい参議院議員を団長とする自民党女性局38人のフランス物見遊山海外研修団は、自己負担は国会議員30万円、地方議員20万円だったそうだ。自民党幹事長室は「海外研修の党負担分は国民の税金である政党助成金からは支出していない」と胸を張ったが、ポストは「自民党の資金は献金や国から配分される政党助成金と立法事務費などからなる。カネに色は付いていないのだから、『税金は使っていない』という説明は苦しい言い逃れだ」と追及する。

 女性局の大名旅行は氷山の一角にすぎない。旅費から食費まで丸ごと税金で賄われるのが衆議院と参議院が派遣する海外視察だという。ポストの調べによると、今年4月以降に派遣された衆参の公式訪問団は55人。その議員たちがのべ19か国を回り、ほぼすべての政党が参加し、8月以降にも多くの海外視察が計画されているという。そのため、今年度の議員海外派遣の予算は衆院3億7300万円、参院は1億2600万円にもなる。

 しかし、その視察の中身というと観光名所の多いヨーロッパが多く、名所を巡り、うまいものを食べ、大使館によって説明を受けるだけというものが大半だそうだ。そんな意味もない観光旅行に、我々の税金が湯水のごとく投じられていることを許してはいけない。それが真っ当な国民の考え方であり、真っ当な議員なら視察した内容を国民に事細かに伝えるはずだ。観光名所で喜び合っている写真などSNSに上げるはずはない。