さて、今週の第2位は、文春が連続追及している「木原誠二官房副長官の妻の疑惑」である。文春も、この問題を他のメディアがほとんど報じないことに苛立ってきているようだ。7月28日に警視庁捜査一課殺人犯捜査第一係、通称「サツイチ」といわれる部署に昨年まで在籍し、木原の妻X子を取り調べたサツイチの「エース」佐藤誠元警部補が会見を行った。170人近くの記者たちが詰めかけたが、ほとんどの新聞もテレビも報じることはなかった。

 だが、この事件は次なるフェイズに入ったはずである。警察のトップが何らかの“政治的配慮”をして、有力政治家の妻の殺人疑惑の捜査を恣意的に止めたのではないか。国会で追及されるべき「重大案件」になったのは間違いない。岸田首相は次の内閣改造で木原氏を切り捨てるという観測が流れているが、それで終わりにしていいはずはない。

 殺人事件に時効はない。警視庁は自殺だと判断し、捜査の終了を命じた根拠を両親に示すべきである。だが、文春によれば、7月24日に両親と種雄の次姉を大塚署に呼び出し、捜査一課の担当者が、「事件性は認められません、捜査は尽くしています」と繰り返すだけだったという。両親は悲憤慷慨してこう話している。

「今回は根拠も説明せず『捜査は終わっています。当時の捜査員がいないので、終わった時期はわかりません』と言うのみでした」

 佐藤を含めた当時の捜査官たちは「これは殺人事件だ」といっているのに、それが違うというのなら、その根拠を遺族に丁寧に説明すべきこというまでもない。それができないのなら、事件の再々捜査を命じるべきではないのか。そうでなければ、警察全体が国民の信頼をますます失うことになる。