文春が“昇り龍”ともてはやされている日本維新の会を取り上げ、このような政党に期待していいのかと疑問を呈している。

「結党以来のブームに沸く日本維新の会。四月の統一地方選で、地方議員らは七百七十四人に膨れ上がった。衆院補選でも議席を獲得し、国会議員は衆参合わせて六十二人。支持率は立憲民主党を上回り、次期衆院選で野党第一党、将来的には政権獲得を目指している。

 果たして政権担当能力は本当にあるのだろうか。お膝元の大阪では、維新が推し進めてきた大阪・関西万博に暗雲が垂れ込めている。会場整備費は当初の千二百五十億円から六百億円上振れ。海外パビリオンの建設手続の停滞も発覚し、延期論まで浮上している。

 さらに、創設期から続く不祥事の多さも相変わらずだ。今年五月には、梅村みずほ参院議員が入管施設でスリランカ人女性が死亡した問題について、根拠不十分な発言を連発し、党員資格停止六ヵ月の処分を受けた」(文春)

 現在、この維新を取り仕切るのは馬場伸幸代表である。その馬場は7月23日にネット番組「ABEMA的ニュースショー」で共産党をこう糾弾した。

「日本から無くなったらええ政党ですわ」

 公党の代表としては何と幼い稚拙な批判だろう。こんな人間を代表に頂く維新という政党の底が割れたというべきであろう。また、公認という印籠を持つ代表に相応しくないという声は、内部からも聞こえてくる。

「自身が気に食わない人物には正反対の態度をとる。それは、代表として公認という生殺与奪権を手にした今、より露骨になっている。その権限を威圧的に振りかざす“公認パワハラ”が行われているのです」(堺支部関係者)

 これまで文春が報じてきた維新の会の不祥事を一覧表にしている。(2021年10月衆院選以降)

「杉本和己衆院4期 議員会館でマントラ」「伊藤信久衆院3期 議員会館でマルチセミナー」

「吉村洋文大阪府知事 市議時代も在職2日で報酬」「池下卓 衆院1期 父から違法献金疑惑」

「遠藤敬衆院4期 秋田犬利権巡り違法疑惑」「浅川義治衆院1期 国会でUFO質問」

「中条きよし参院1期 年金未納問題など」

「笹川理大阪府議 女性市議にセクハラなど」「高石康知事SP役 女性府議にハラスメント疑惑」

「藤原敏司熊取町長 男性町議にパワハラ疑惑」「森健人西宮市議 工事費未払い疑惑など」

「佐藤恵理子上尾市議 SNSでセクシー写真販売」

 こうした不心得者が出てくるのも、日本維新の関係者が口をそろえるように身体検査が甘すぎるからだろう。こんな証言もある。

「もっとザルです。面接で『もんもん(入れ墨)』入ってない? と聞かれた同僚がいたけど、本当にそれぐらい。多くは単に維新公認の看板で上位当選しており、“粗製濫造”との指摘も出ています」(元維新府議)

 こうした批判に、維新の生みの親である松井一郎前代表はどう答えるのだろう。馬場代表が「共産党がなくなったらいい」と口にしていたが、

「気負いの部分は多少あるかもわからんけど、結果として“炎上”して話題になった。馬場ちゃんは、強引にでも戦う姿勢を示した方がいい。ただ、『第二』は気にいらんね。僕らは、自民党で改革できないから維新を作った。『自民党改革派』ならええけどね」

 政権を取る気はない?

「政権交代はあくまでも手段。大失敗をしたのが民主党。何をするのかまとまらず、権力の中で権力争いが起こった。“大臣になりたい病”みたいなスケベ根性だけで政権交代したいのなら、維新は終わる。単に自民党の二番煎じになる」

 この親にしてこの子あり。今は、自民党も嫌だが立憲ではブレすぎる。そういう非自民党的な票が流れているだけだろう。議席が増えれば増えるほど「不祥事」も増えていくに違いない。立憲が頼りない泉代表を辞めさせ、野党らしさを取り戻せば、まだ維新には勝てると思っているのだが。