また暑い甲子園が始まった。このような酷暑の中でスポーツをやるというのは「犯罪」ではないのか。スポーツライターの小林信也もそうした考えを持ち、関係するところに問い合わせたという。

「NHKも含め、日本高野連、朝日新聞の考えを集約すると、『猛暑でも事故さえ起きなければいい』という基準を盾に実施している。果たしてそれでいいのだろうか? 酷暑下の野球を強いることが虐待にも通じる、子どもたちの野球離れにもつながっている、という認識が持てなければ、野球の未来は暗いだろう。私はそこを深く案じる。

 アメリカの野球事情に詳しい大リーグ評論家の福島良一氏が言う。

『アメリカでは、真夏の昼間に野球をする人はあまりいません。大学野球も6月には正式なシーズンが終わり、夏の間マサチューセッツ州など涼しい北の地域でサマーリーグを行います。プロも、かつてアリゾナ州で見たルーキーリーグは暑さ対策のため、朝にゲームをしていました』

 日本の大学も真夏には公式戦がない。『真夏こそ野球の季節』と思い込まされているのは、世界的にも日本の高校球児と小中学生だけではないか」