「ドラマや映画の“あるある”は、ともすれば“よくあるパターン”としてネガティブに捉えられることもあるんですが、考察することが楽しみとなっている『VIVANT』のような連続ドラマでは、“あるある”の要素が含まれていることで、視聴者の想像が膨らむ。また、地上波ドラマということで、ドラマや映画にそれほど詳しくないライト視聴者もターゲットとなっており、“あるある”と感じられるくらいの展開のほうがちょうどいいという側面もあるでしょう。
これでもしも考察が当たれば、視聴者は“それみたことか!”という満足感を得られますし、考察が外れても心地よい裏切りを体感できる。適度な“あるある”によって、作品のハードルが下げられていると言えると思いますね」(同)
また、重要な“考察のネタ”となっているのが、主要キャストとして発表されているにも関わらず、第3話の時点でまだ登場していない松坂桃李だ。
「“松坂桃李さんがどんな役で登場するのか”という話題で視聴者が盛り上がっているのも間違いない。事前にキャストを発表していたからこその展開であり、このプロモーションは大正解だったと思います。第1話のラストでちらっと登場したものの、まだ謎に包まれている役所広司さんや二宮和也さんの役柄も加えて、豪華キャストを“もったいぶっている”ことも、『VIVANT』の盛り上がりを上手く演出していますね」(同)
わかりやすい“あるある”を随所に入れ込むことで、考察しやすい“視聴者参加型ドラマ”となっている『VIVANT』。序盤の戦略としては、大成功だったようだ。