デル・トロ監督から影響を受け、『ジョーズ』を目指した
そんな独特の作家性を持つエスバン監督だが、今回の『イビルアイ』は『デビルズ・バックボーン』と『パンズ・ラビリンス』からインスピレーションを受けているとも明言している。なるほど、少女(または少年や純粋な存在)が主人公であることや、切なく苦しいシチュエーション、(現代劇ながら)どこかゴシックホラーのテイストを感じられることなどから、ギレルモ・デル・トロ監督作の影響も確かに感じるのだ。
さらに、エスバン監督は「『ジョーズ』の水中の世界を、祖母という題材で表現したかった」とも語っている。その心は、「かつて『ジョーズ』を観てサメの恐怖で海に入らなくなった人が多かったように、『イビルアイ』のせいで孫が訪ねてこなくなったと悲しむ祖母がどれほど現れるでしょうね」というもの。もちろん冗談混じりで言っているのだろうが、それも含めてなんとまあ意地が悪くてひねくれている監督なのかと、改めてため息混じりで称賛するしかない。
『イビルアイ』
2023年7月28日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
監督・脚本:アイザック・エスバン『パラドクス』『ダークレイン』
出演:オフェリア・メディーナ、パオラ・ミゲル、サマンサ・カスティージョ
出演:チョン・イル、ラ・ミラン、キム・スルギ、ペク・ヒョンジン、ソ・イス、パク・ダオン
配給:AMGエンタテインメント
2022年/メキシコ/スペイン語5.1ch/100分/英題:Evil Eye/字幕翻訳:浦田貴美枝
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