ここから2本はジャニーズに関連する文春の特集。まずは、山下達郎が所属するというより彼の会社といってもいいスマイルカンパニーから、契約を解除するといい出された音楽プロデューサーの松尾潔が、山下のジャニーズ事務所擁護発言に「おかしい!」といっているという記事から。

 山下はラジオで、ジャニー喜多川への恩を語り、「そのような機会を与えていただいたことに心から恩義を感じています」と語った。たしかに山下とジャニーズ事務所とのつながりは長く深い。ジャニーズのアイドルたちに多くの楽曲を提供し、ヒットさせ、多額の印税を稼いできた。山下は、ジャニー喜多川の性加害についても以前から知っていたかもしれない。 だが、人間としてもビジネスパートナーとしても信頼して付き合ってきたのだろう。そういう人間もいるのだし、それでもいいではないか。

 私は何度も書いているように、ジャニー喜多川もジャニーズ事務所も嫌いである。嫌悪感すら抱いている。だが、日本中の人間がジャニー喜多川を嫌いになる、大バッシングするというのを望みはしない。理性、分別のある人間が、ジャニー喜多川の非道を知って批判すればいいのだ。文春がやっているのは、ジャニー喜多川を好きだなんていう奴は人間ではない、みんなで石を投げろ! といっているように思える。

 そういうのって危険じゃないか? 私は山下のような人間がいてもいい、しかし、私はあんたのことが嫌いだ。それでいいじゃないか。