歌舞伎町の近くの大久保公園に「立ちんぼ」が多いことはよく知られている。そこから梅毒が広がっていると新潮が報じている。何しろ梅毒の感染がこのところ急激に広がっているようだ。2010年には患者数はわずかに621人だったのに、22年には1万743人になっていることが、2022年の厚労省の調査で判明している。

 潜在的な梅毒患者がその何倍いるのか? 我々の時代は、梅毒にかかると鼻がもげると恐れられた。トルコ(今のソープランド)に行くと、店から出てきて抗生物質を飲んで小便をした。こうすると悪い病気にかからないといわれたが、実際は分からない。

 あの頃は、コンドームをつけるというのが徹底されていなかった。生が当たり前、女の子がコンドームをしてくれというと、客が嫌がった時代だった。それがみな、コンドームをするようになったのはエイズが世界中でまん延し、日本にも上陸した頃だから、1985年、私は40歳だった。

 あっという間に風俗は下火になり、歌舞伎町や吉原は閑古鳥が鳴いた。それから40年近くが過ぎ、エイズも治る病気になり、再び、「性病」が流行っているようだ。梅毒も早期に治療すれば治るが、末期には精神に異常をきたし死ぬ。中国では、2021年に50万人近い感染者が報告されているという。それでも、大久保公園周辺には立ちんぼが多くいて、それを物色し、買う人間がいる。

 月に300万円稼ぐという20歳の女性はこういっている。

「今までに1000人以上としているし、どんな人としたかなんてほとんど覚えていない。クラミジア、トリコモナス、カンジダ……。病気はいっぱいもらったよ。私たちは“リンクラ”ってセットで言っているけど、淋病とクラミジアは多くて、私の周りもみんな体験している。今のところ淋病の経験はないけどね」

 彼女たちのなかには梅毒の特徴である「ぶつぶつができている」女性も多くみられるという。私は、立ちんぼの女性を買ったことはないが、コトを終えた後、一緒に行った友人と立小便をしたあの頃が懐かしい。みなさん、性病には気を付けましょうね。