あまりにも意外だった裁判の判決結果
外国人バーに通う常連客たちの身元調査、薬物を使ったレイプ被害に遭った外国人女性がメモしていた携帯番号などを手掛かりに、高級マンションで暮らす資産家の織原城二が2000年10月に逮捕される。織原の自宅からは、昏睡した女性たちを陵辱する織原が映った大量のビデオテープや違法薬物が見つかった。
山本「六本木で、ここまで大きな事件が起きたことはかつてなかったんじゃないでしょうか。外国人女性たちへの聞き込みも多く、英語に慣れない捜査官はかなり苦労したようです。それでも、『もしも、自分の娘が被害者だったら』という気持ちや、『日本に来たばかりで事件に巻き込まれたルーシーさんを早く見つけたい』という思いで、捜査官たちは懸命に捜査に当たりました。女性捜査官や警視庁初の科学捜査官の活躍なしでは、事件解決には至らなかったでしょう」
捜査官たちの熱心な捜索によって、バラバラになった姿でルーシーさんは発見された。ルーシーさんだけでなく、織原によって1992年に同じ手口でオーストラリア人女性カリタ・リッジウェイさんが亡くなっていたことも分かった。裁判の結果、織原には有罪判決が下る。
ルーシーさんの失踪事件が表面化したことで日本の警察が動き、長年にわたる織原の凶行は終わりを告げることになった。もしこの事件が発覚していなければ、織原による犠牲者数はもっと増えていたに違いない。織原はカリタさんら9人の女性に対する準強姦致死罪、準強姦罪、強制わいせつ罪などによって無期懲役となった。だが、ルーシーさんに対する殺人罪は問われないという予想外の判決だった。
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