国道駅(JR鶴見線)・90年前にタイムスリップした気分になるスポット

海芝浦駅と同じくJR鶴見線の駅である国道駅は1930年に開業した、歴史を感じさせる高架駅です。開業以来ほぼ改築されていないというその空間は、時間が止まってしまったかのように昭和初期の雰囲気を漂わせています。橋脚に貼られた煉瓦タイルやアーチの形状をした梁などを眺めていると、タイムスリップしたような気分に。

駅入口、向かって右側にある外壁には、複数の穴が開いています。実はこの穴は銃弾の痕!第二次世界大戦末期、米軍による機銃掃射の空襲によって残された傷痕だそうです。

駅の中に入ると探検心をくすぐる狭い通路が続きます。駅員は常駐しておらず、代わりに交通系電子マネー・Suicaのチャージができる自動券売機が設置されていますよ。

国道駅は1987年に放送されたテレビドラマ『男女7人秋物語』など、映画やドラマのロケ地ともなっています。廃墟のようなただならぬ気配に満ちたスポットだけに、写真や映像に収めると一層魅力的に見えるのかもしれません。

国道駅
住所:神奈川県横浜市鶴見区生麦5丁目
所属路線:JR鶴見線

土合駅(JR上越線)・異世界への入口!?地下空間へと続く階段

土合駅は群馬県内最北端に位置する駅です。2013年度までの群馬県統計年鑑によると、1日の利用者は平均20人にも満たない場所で、駅の周辺にはコンビニも見当たりません。しかし鉄道ファンのあいだでは「日本一のモグラ駅」として有名なスポットでもあります。

というのも、駅舎からなんと70メートルも地下へ潜った場所にホームがあるのです。ホームに到着するまでには高低差338メートルにもおよぶ462段の階段を降りなければならず、改札から約10分程度かかります。延々と続く一本道のトンネルは、まるで地下空間へと探検に赴くかのような道行きになっています。

異世界を彷彿とさせる雰囲気を漂わせた駅のホームは、高度経済成長期の1967年に開通した新清水トンネルの中にあります。エレベーターやエスカレーターがないので、徒歩で昇り降りするしかありませんが、階段の途中2ヶ所にはベンチが設置されています。

土合駅
住所:群馬県利根郡みなかみ町湯檜曽218-2
所属路線:JR上越線

身近な“秘境駅”を探してみよう!

秘境駅といえば、都会から遠く離れた場所にある、人の気配のないひなびた街を想像する人が多いと思います。しかし非日常的な気分に浸ることのできる独特な雰囲気のスポットは、意外と都市の周辺にも存在するようです。普段使い慣れた駅であっても、視点を変えると奇妙な世界への入口へと姿を変えるかもしれませんよ。

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