それに比べて日本テレビは、嵐の櫻井翔が月曜キャスターを務める報道番組『news zero』での性加害問題の取り上げ方に視聴者から不満の声が集まるなど、ジャニーズへの忖度が垣間見えていたため、今回の平野&神宮寺の起用に関する幹部の発言にも疑いの目が向けられているようだ。その一方で「会見でそんな大事なことベラベラしゃべれないってだけでは」「タッキーはやり手だから、実はもう平野くんたちの番組出演が決まってるかも」といったポジティブな見方もあり、さまざまな意味で反響を呼んでいる。

 前身番組『キンプる。』と後継番組『キントレ』をめぐる動きも、日本テレビとジャニーズ事務所の関係性がうかがえる。平野ら3人のグループ脱退と退所が発表された昨年11月4日の数日後には一部スポーツ紙で『キンプる。』について「番組は永瀬と高橋の2人で継続される」などと報じられたものの、同月28日の定例会見で日本テレビ側は「今回のことは驚きました」「当番組についての詳細は未定」と回答。今年3月3日に行われた4月期改編説明会では一転、「現状において番組を終了する予定はない」として継続が明言されたが、それからわずか1カ月ほどで『キンプる。』の終了が発表されることに。

 平野と神宮寺の退所翌日となる5月23日に、後継番組『キントレ』が7月1日からスタートすることが発表されたが、7月25日付の「デイリー新潮」(新潮社)によれば、当初はファンへの配慮から『キントレ』は3カ月以上間を置いた9月スタートにしようと日テレ側は考えていたものの、「ジャニーズ事務所からの強い要望」により7月1日スタートになったという。そのため、芸人のバラエティ番組を新たにつくって9月まで持たせるつもりが、その手も打てず、スポーツ番組や環境番組、さらには『ヒルナンデス!』や『DayDay.』の特別編で間を埋めることに。日本テレビがジャニーズ事務所の都合に振り回されたことがうかがえる。

 「デイリー新潮」は、ジャニーズ事務所が『キントレ』のスタートを急いだ背景に、平野と神宮寺がTOBEに移籍する情報を事前につかんでおり、King & Princeのファンの流出を避けるためだと指摘している。ジャニーズ事務所がTOBEの動きを警戒しているのであれば、ジャニーズと関係の深いテレビ局がTOBE所属タレントの扱いについて「忖度」することも十分にあり得そうだ。