TPP加盟に舵を切った英国

 英国は、自国とは遠く離れた環太平洋の協定であるTPP加盟に舵を切った。背景に2020年1月の英国のEU(欧州連合)離脱=ブレグジットがある。

 英国にとって、TPP加盟はEU離脱後における最大の貿易協定だ。英国企業は5.8億人以上の市場に、99%無関税で輸出できるようになる。

 調印式に臨んだケミ・ベイデノック・英ビジネス貿易相は「これは野心的な協定であり、このエキサイティングで素晴らしく、将来を見据えたブロックへの加盟は、英国の門戸がビジネスのために開かれている証である」と英国が最初の新規加盟国になったことを喜んだ。

 しかし、協定加盟の恩恵は限定的だとの見方もある。英国はTPP加盟11カ国のうち、すでに9カ国と自由貿易協定を結んでいるからだ。