唯一の大きな不満と、トムのさらなる「実際に自分でやってみる」エピソード

 ほぼほぼ文句なしの出来栄えと言えるが、それでもあえて不満を言うのであれば、やはり物語がこの1本だけでは終わらないことだろう。シリーズ最長となった164分の上映時間があっという間に感じられるほど面白いし、しっかりとした区切りのあるところで終わってもいるのだが、それでもやはり「早く続きを見せてくれ!」となってしまう。

 この2023年公開の大作映画は『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』 『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-』も「パート1なので続きはまた後で」だった。その“飢餓感”は良くも悪くも覚えてしまうだろう。これはもう、仕方がない。

 最後に、トム・クルーズならではのエピソードをもう1つ紹介しておこう。劇中でイーサンと、新キャラクターのグレースが空港で初めて出会う時、トム・クルーズは文字通りにキーアイテムとなる“鍵”の半分を、実際の“手品”として披露したのだという。何度も失敗もしたそうだが、おかげで視覚効果をほとんど使わない、トム直々による本物の手品が映し出されているのだ。そんなふうに超危険なスタント以外でも「実際に自分でやってみる」トムらしいサービス精神を、ぜひ劇場で感じてほしい。

『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』7月21日(金)全国公開!
監督・脚本:クリストファー・マッカリー(『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』、『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』)
出演:トム・クルーズ、ヘイリー・アトウェル、ヴィング・レイムス、サイモン・ペッグ、レベッカ・ファーガソン、ヴァネッサ・カービー、イーサイ・モラレス、ポム・クレメンティエフ、ヘンリー・ツェニー
全米公開:2023年7月12日
原題:Mission: Impossible – DEAD RECKONING PART ONE
配給:東和ピクチャーズ
C) 2023 PARAMOUNT PICTURES.