「その場所があってこそ」なアクションの数々
本作は何しろアクション超大作。世界のさまざまな場所でド派手な見せ場が展開することが大きな魅力だ。アブダビの砂漠、ヴェネツィアの迷路のような道と運河、ローマの歴史的な首都、(オーストリア・アルプスの代理としての)ノルウェーの広大な山々など、それぞれの風景だけでスクリーン映えするのだが、注目は「その場所ならではのアクション」があることだろう。
例えば、砂漠で“砂嵐”が来ることがとあるサスペンスとつながっているし、ローマの街でのカーチェイスは“路地”や“階段”までも活かし、さらなるコミカルな見せ場へと展開する。クリストファー・マッカリー監督は 「ロケーションを中心にシーンを構成している」「ロケがアクションを決定する」とまで断言しており、なるほどその通りの、ロケを最大限に活かしたバラエティ豊かなギミックを楽しめるのだ。
ちなみに、本作の製作費はトム・クルーズ主演作および、『ミッション・インポッシブル』シリーズ史上もっとも高い2億9100万ドルにまでのぼっている。もちろんこれらの大規模なロケのためもあるのだろうが、やはり新型コロナウイルスによる度重なる製作の延期も大きかったようだ。トムは陽性者が出た時のため、キャストとスタッフが隔離できるよう、古いクルーズ船の購入のため個人的に50万ポンドを支払ったこともあったらしい。
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