トム・クルーズを止めたくなる目玉の“ベースジャンプ”の凄まじさ
目玉となるのが、予告編で誰もが度肝を抜かれたであろう、断崖絶壁へ向けてバイクでフルスピードで突っ走り、そしてバイクを捨てながら崖下へと飛んでいく“ベースジャンプ”だ。もちろん、この危険にもほどがあるスタントを実現させるための準備は入念、いや執念と言えるほどのもので、その準備期間は計15ヶ月にも及び、トム・クルーズはスピードが上がるまで536回ものジャンプ練習を行ったりもしたらしい。
そのトムはジャンプ直前にはさすがに恐怖心があったことも語っているのだが、「仮に大ケガや事故死したら映画が続けられなくなる」という理由で最初にこの超危険なスタントを撮影したというのはいろいろな意味で恐ろしい。このシリーズは観るたびに、「イーサン・ハントのすごいアクションがもっと観たい!」「トムが危険なスタントに挑みすぎていつか死んじゃいそうだから誰か止めてあげて!」とアンビバレントな気持ちになってくるのだが、それが今回のベースジャンプで頂点に達したと言っていい。
なお、前作『ミッション・インポッシブル フォールアウト』でも、トムは7620mの高高度を飛行機から飛び降りて、約304~609mの範囲でパラシュートを開くという“HALOジャンプ”に挑んでいたが、今回のベースジャンプではそれが約152~182mとなり、数字的にもさらに危険度が増していることがわかる。崖そのものにぶつかる可能性があるベースジャンプが、スカイダイビングとまったく異なることは、言うまでもないだろう。
また、その『フォールアウト』でのHALOジャンプは、正直「そんな高いところから飛んで忍び込む必然性がまったくないよね」と物語上でのツッコミを入れたくもなった。だが、今回のベースジャンプでは「そこまでしなければいけない理由」がしっかり描かれていて、その過程がほぼほぼギャグとなっていて爆笑してしまった。別の場所でのシリアスなやり取りとの“ギャップ笑い”も楽しんでほしい。