夜、タタラ場を「もののけ姫」が襲う。その正体は犬神に育てられた少女・サンであり、アシタカが谷川の対岸で観た仮面の少女であった。互いを仲間の仇と狙うエボシとサンを見て、憎しみあうより、分かり合う道を模索しようとするアシタカは二人の間に割って入り、サンを救い出すが重傷を負ってしまう。
森にたどり着くもアシタカは力尽きる。サンはアシタカをシシ神に会わせ、シシ神が彼の傷をいやすのを見て、命は取らないと決める。
森の神と人の共存を望むアシタカが苦悩する中、シシ神の持つ不老不死の力を狙う者たちが暗躍を始めていた。
『もののけ姫』は一般にいうところのヒロイック・ファンタジーの形を借りながらその実、反骨精神の塊溢れる演出によって、登場人物たちがタタリや呪いに逆らい、過酷な運命に抗い力強く生き抜こうとする物語だ。
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