これ以上書くとネタバレになってしまうので筆を止める。欧州などでは移民と呼ばれる海外から来る安い賃金で働いてくれる労働者を日本では「技能実習生」や「特定技能」といった曖昧な言葉にすり替え、問題の本質から目を逸らす。売春を援助交際、パパ活といった聞こえの良い言葉にすり替える発想と似ていなくもないと言える。
技能実習生は日本で3年から5年働いた後、母国に帰る。日本に家族を連れてくることは禁じられている。家族を養う金銭を得るためとはいえ、3年から5年もの長きにわたり離れ離れで暮らすのは辛い。
流石にこのままではまずいと思ったのか、政府の有識者会議は4月28日、この技能実習制度を廃止して、新たな制度への移行を求める中間報告書をまとめた。
給与未払い、実習生への虐待などトラブル続きの技能実習制度が「国際貢献」という美名の下になぜこれまで存続してきたのか? 映画『イミグレ』はブラックコメディの形を取りながら我々に問う。