最近、ミトコンドリアの機能異常が慢性炎症を引き起こし、がんや認知症、様々な生活習慣病の発症に関係していることが知られているが、ミトコンドリアの機能異常がうつ病や不安障害の発症に対する関わりはよくわかっていなかった。
そこで同研究グループは、慢性痛によってうつ・不安様行動を示すマウスを用いて、ミトコンドリアの機能異常による炎症と症状の関わりについて調べた。このモデルマウスでは、脳の海馬において細胞の働きに必要なエネルギーを産生するミトコンドリアに障害が生じていることを明らかにした。
さらに、モデルマウスに対して、ミトコンドリア機能を改善するクルクミン(ウコンなどに含まれるポリフェノール)を投与すると、うつ・不安様行動が改善した。
モデルマウスの海馬では、ミトコンドリア障害に伴って炎症性物質であるⅠ型インターフェロンが増加し、脳の免疫担当細胞であるミクログリアが活性化していることを発見した。
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