戦時下のウクライナで今年1月5日に上映され大ヒットとなった映画『キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩(うた)』が今月7月7日から日本でも順次公開されている。

 映画の舞台となるのは現在のウクライナ西部に位置するイヴァーノ=フランキーウシクという街だが、物語が始まる1939年1月当時はポーランド領スタニスワヴフだった。

 ユダヤ人家族が住む家に店子としてウクライナ人一家、ポーランド人一家が引っ越してくる。3家族には同じ年頃の娘がいたが国や民族の違いに親たちは当初、子供たちを一緒に遊ばすことも躊躇する。主人公の一人でウクライナ人の娘ヤロスラワは、音楽家の両親の影響を受けて歌が得意で、ウクライナの民謡「シチェドリク」(キャロル・オブ・ザ・ベル)を歌うと必ず幸福が訪れると信じている。彼女がユダヤ人、ポーランド人の娘たちを誘い、この歌を一緒に歌うことで3家族を隔てる心の壁も消え、しばし平穏の日々が訪れる。