ニューヨークとフロリダでのサメのニュースは、夏のマリンスポーツ産業にも影響を与えた。ニューヨークのファイアー・アイランドにあるスポーツ用品店では、サーフィンをしようとした観光客からのキャンセルが相次ぎ、売り上げの約3割を占める用具のレンタル業務をストップせざるを得なくなったという。
5月にサメによる被害が報告されたサウスカロライナ州では、5月最終月曜日に定められた連邦の祝日、メモリアルデーに予約が全く入らなかったサーフィン教室があった。
サメへの恐怖心の背景には、これまで現れなかった地点に狂暴なサメが出現するケースが米国で目立っていることがある。
最も衝撃的だったのは北東部メーン州での出来事だ。2020年7月27日、ニューヨークから遊びに来ていた63歳の女性が遊泳中にホホジロザメに襲われて死亡した。ホホジロザメは地球上で最も危険な生物とも言われる。メーン州でサメに人が襲われて死亡したのは初めてのことだった。メーン州は米国北東端に位置する州で、大西洋の海水温が低いことからホホジロザメが出現することは極めてまれだった。
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