質問1「仮想通貨の変動幅はなぜ大きい?」

続いて、質疑応答の時間が設けられました。まず「仮想通貨は、株式に比べてなぜそんなに値動きが大きくなるのでしょうか?」

「本質的な質問ですね」と大槻さん。大槻さんが挙げたポイントは3点です。

まずマーケットが小さいことです。世界中の仮想通貨の価値は現在40兆円程度で、多額の資金を持った投資家が売買することで、マーケットが影響を受け、結果として値動きが荒くなってしまいます。「市場の流動性が低い状態」なのです。

2番目は、仮想通貨に関しては「ファンダメンタルズが分からない状態」です。通常、機関投資家が投資をするときは、その資産の根源的な価値を予想し、そこから割安、割高を判断して売買します。

価格が下がっても、本来の価値より割安と判断すれば買いのチャンスとなるわけですが、仮想通貨は適正価値か定まっていない中での売買のため、少しの下落でも怖くなり、売る人が増える可能性もあります。

そして季節的な要因です。アメリカの個人所得税の申告時期には、税金を払うために仮想通貨を売って法定通貨に交換する人が増えてマーケットが動きました。それだけの要因で相場が動いてしまうのは、マーケットが小さいからでもあります。

質問2「お金はどこで余っているの?」

セミナーでは世界にお金があふれているという話しがありましたが「自分の周りでは、お金が余っているように見えない」という質問もありました。

「今、最もお金を持っているのは企業ですよね。貸借対照表を見ると、企業の現預金は、過去最大になっています」と大槻さん。

業績はいいので、将来への不安がなければ配当として株主に払い戻す選択もありますが、「この先、何となく景気が悪くなるのでは」と予想すると、それもできません。また金利が安すぎるために、投資する先がないのも事実です。

もう一つの要因としては、よく言われるように高齢者の預金が増えていることです。「若い人の手元には、お金はなかなか回ってこない現状なのかもしれません」

(写真=筆者撮影)

マクロとミクロの視点をバランスよく

ニュースで見聞きする経済の話は、遠すぎて、自分の投資にどう落とし込めばいいのか、分かりづらい面があります。

世界規模での経済から、ファンダメンタルズの重要性の話へとつながるセミナー内容、さらに学んだ内容を身の回りの疑問とつなぎ合わせて、自分のものにしようとする大学生の「質問力」にも、とても学ぶものがありました。

文・阿部祐子/DAILY ANDS

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